こんにちは。イエーの遠藤です。
今回は賃貸物件の「申込」について詳しく解説します。
申込を正しく理解しないと様々なトラブルに繋がってしまいます。
希望通りに入居できなかったり、違約金を請求されることのないように「申込」について正しく理解していきましょう。
賃貸物件を「申込」することの意味
そもそも賃貸物件の申込とはなんでしょうか?
「契約とは違うの?」とはじめは私も思っていました。
賃貸物件の申込とは、「申込書」を提出することで入居の意思表示を行うことを指します。
賃貸物件は入居者を募集しているからといって誰でも入居ができるわけではありません。
申込後に行われる大家さんや管理会社、保証会社の審査を通過した人だけが契約を締結できます。
申込書の提出=入居の意思表示
賃貸物件の申込は入居の意思表示を行うことだと説明しました。
不動産屋によっては申込書の提出=仮押さえなどと表現する不動産屋もいますが、その意味は一般的な「他の人に取られない為にとりあえず物件をキープをしておく」とは違います。
不動産屋が「仮押さえしておきますか?」と言った場合でも、それは原則入居を前提とした申込を意味している場合がほとんどです。「最悪キャンセルすれば大丈夫」という気軽な気持ちで申込書を提出することはやめましょう。
申込=入居確約ではない
申込書を提出した順番のことを「番手」と呼びます。1番最初に申込書を提出した人を「1番手」2番目に提出した人を「2番手」と呼びます。
1番手で申込をしても入居確約ではありません。申込後に行われる審査を通過し、無事に契約を締結して初めて入居が確約されます。
仮に1番手で申込をしていても、審査に落ちた場合は2番手が繰り上がりで1番手となります。1番手で申込をしても審査を通過するまでは「もう大丈夫」 と思わないようにしましょう。
申込=先着順に審査が行われる
審査は基本的に申込書が提出された順番に行われます。他の人よりも内見を先にしても、申込書を出すスピードが遅ければ 2番手、3番手になってしまうのです。
だからこそ、早く申込をした方が有利になります。ただし、同日に申し込みをしたり、僅差で申込が複数入った場合には申込に順番をつけずに「同時審査」が行われる場合もあります。
多くの賃貸物件では原則入居申し込みが入ったタイミングで 1 度入居者の募集が取り下げられます。しかし、不動産屋によっては契約が成立するまでは物件の掲載を続けたり、情報の更新が遅い為に募集情報が掲載されたままになったりすることもあります。
既に申し込みが入っている場合はその旨が伝えられますが、前の番手の人が審査を通過していない場合はまだ申し込みを受け付けてくれる場合がほとんどです。
申込をした時点で先に誰かが申し込んでいた場合はどうなるのか
申込書を提出した時に「2番手です」と言われたら一体どうなるのでしょうか?自分よりも前に誰かがすでに申し込みをし、審査結果を待っている物件に申し込みを行った時に言われるのが「2番手」や「3番手」です。
「1番手」じゃないと入居できる可能性は低いように感じられますが、入居できるチャンスはあります。
2番手受付でもチャンスはある
申込時に「2番手です」と言われてもチャンスがないわけではありません。
1 番手の方が先に審査されるのでそちらの方が有利ですが、
・1 番手が申し込みをキャンセルした
・1 番手が審査に落ちた
上記のような理由で 1 番手の申込がキャンセルされると2番手の審査へと移行されます。
特に人気の物件だと「早く申込みしないと埋まってしまう」という気持ちから、とりあえず申込書を提出するという人も決して少なくはありません。
しかし落ち着いて冷静に条件を確認すると希望と違ったり、入居希望のタイミングと全然合わなかったりして折り合いがつかない結果キャンセルとなることもあるのです。
また、1 番手が入居審査に落ちるというケースもあります。審査に必要な書類を提出しなかったり、やり取りがスムーズに行われないなどの理由で審査に落ちることもあります。
大家さんの印象が悪いとそれが理由で落ちるケースもあるので、そのような場合も 2 番手が繰り上がりで審査を受けることになります。
2番手申し込みは入居を急いでいる場合はオススメしない
入居まで急いでいる人には2番手申し込みはオススメできません。通常、入居審査には 3日〜1 週間ほどかかると言われています。1番手の審査に1週間かかり、そこから2番手の審査にまた1週間かかる…ということもあります。
また、仮に審査を受けるチャンスが回ってきたとしても、必ずその審査を通過できるという保証はありません。
入居希望時期が定まっておらず、現状その物件以外に良い物件が見つかっていない人や、時間に余裕があってゆっくり審査結果を待てる人であれば2番手申し込みを入れても良いでしょう。
ですが、入居まで時間がなく急いでいる人にはオススメできません。契約まで時間がかかってしまいそうな物件は避けた方が無難です。
申込後も契約前であればキャンセル可能。
申込みは契約とは異なる為、申込後もキャンセルをすることは可能です。
しかし、安易なキャンセルはマナー違反になりますし、印象がとても悪いです。
よほどの理由がない限りはしないようにしましょう。
ほとんどの不動産会社は申込書が提出された段階でその物件の募集を取りやめます。
また、申込を受けた大家さんや管理会社、審査依頼を受けた保証会社は申込者が入居をする前提で審査を行っています。
そうした中で安易にキャンセルを行うと、大家さんに対する印象が悪くなるだけではなく、管理会社や保証会社からの印象も悪くなってしまいます。
そうなるとその管理会社が管理している他の物件を借りれなくなる恐れがあるので十分注意しましょう。
賃貸物件の申込には何が必要なのか?
賃貸物件の申込で必要なのは必要事項が書かれた申込書、身分証の2点です。
ほとんどの場合はこの2点の提出を求められます。
その他に収入証明などの提出を求められる場合もあります。
申込書に記載する内容は不動産会社ごとに若干違いますが、大体は下記に記載した通りです。
申込書書に必要な情報
・契約者本人の情報
名前、生年月日、住所、電話番号、勤務先名、勤務先住所・電話番号、勤務先の従業員数、 勤務先の資本金、年収、勤続年数など
・連帯保証人の情報
名前、生年月日、住所、電話番号、住居の情報(持ち家、賃貸など)勤務先名、勤務先住所・ 電話番号、勤務先の従業員数、勤務先の資本金、年収、勤続年数
※最近ではほとんどの物件で家賃保証会社への加入が必須となっています。その場合は緊急時連絡先となる家族や友人がいれば保証人が要らないケースもあります。
提出書類
・本人確認書類(免許証や保険証の写し)
・収入証明書(課税証明書や源泉徴収票など)
※上記の他に住⺠票や印鑑証明書が求められるケースもあります。その際は発行から3ヶ月以内の原本が必要になります。
申込書に記載した情報に不備があったり、提出した書類に不備があると審査に時間がかかったり、審査に落ちてしまいます。
申込書には正確な情報を記載し、提出書類はあらかじめ準備をしてスムーズに提出するようにしましょう。
賃貸物件の申し込みをする前に必ず確認するべきこと
ここまで申込について解説をしてきましたが、実際に申し込みを行う前に必ず「確認しておいた方が良いこと」についても話します。
内見をして気に入った物件があるとすぐ「申込をしたい!」と考えると思います。 不動産屋も早く物件に申し込んで欲しいので、「明日まで残っているかわからない」とか、「この後内見がもう1件入っているのでそっちで決まるかもしれません」などと言ってきます。
それに焦りを感じてすぐに申込書を提出した経験が私にもあります。ただ、入居審査後にその物件をキャンセルすることにならないよう、賃貸物件の申込み前には以下の2つを確認することが重要です。
賃貸物件の申込前に必ず確認するべきことその1:入居日(家賃発生日)
通常、家賃は契約書に記載された入居日から発生します。物件情報欄に「即入居可」と書かれている場合は、申込み後2週間ほどで家賃が発生するケースがほとんどです。
自分の想定しているよりも早く家賃が発生することにならないかを申込前にしっかりと確認するようにしましょう。
申込をしてから入居審査を通過し、契約を締結して鍵を受け取るまで約2週間です。大家さん側からすれば1日でも早く家賃を払って欲しいので、「この日までに入居して欲しい」と言われるケースがほとんどです。
契約書に記載されている入居日は「家賃発生日」とも言えます。必ずしもこの入居日に引っ越しをしなければならないということではないですが、契約書に記載の入居日から家賃が発生するということはしっかりと覚えておくようにしましょう。
住んでいる物件との折り合いが合わず、二重家賃を払う羽目にならないように申込前にしっかりと入居日をチェックするようにしましょう。
賃貸物件の申し込み前に必ず確認するべきことその2:初期費用
申込前に初期費用がいくらかかるのか?ということもしっかりと確認するようにしましょう。
賃料の他に敷金・礼金はいくらかかるのか、他に必要な費用はどんなものがあるのか?など、細かい部分までしっかりと聞くようにしましょう。
申込をしてこれから契約という段階で「聞いてない!」となっても遅いです。あらかじめきちんと初期費用に関しても申込前に確認するようにしましょう。
賃貸物件の申込をする際に注意するべきこと
最後に、賃貸物件の申込をする際に必ず注意するべきことを紹介します。
賃貸物件の申込は契約を前提にしているからこそ、しっかりと注意するようにしてください。
賃貸物件を申し込む際に必ず注意するべきこと:交渉
賃料や設備、その他の条件などで何かしら大家さんに交渉をしたいことがある場合は申込書の提出と同時に行うようにしましょう。
確認事項であれば申込前で良いですが、交渉を嫌う大家さんも多いです。交渉の内容や仕方によっては大家さんへの印象が悪くなり、入居審査に悪影響を及ぼす場合もあります。極端に無理な交渉は避けた方が良いです。
入居可否の最終的な判断を下すのは大家さんや管理会社です。仮に家賃保証会社の審査を通過しても、大家さんがこの人を住まわせたくないと言えば契約してもらえません。
だからこそ、本当に住みたい物件なのであれば仲介会社の人と相談しながら、大家さんに悪い印象を持たれない範囲で進めるようにしましょう。
賃貸物件を申し込む際に必ず注意するべきこと:安易な申込をしない
ここまで話してきた通り、条件をしっかりと読んでいなかったり、初期費用の確認を行っている状態で安易に申込をするのは危険です。
不動産屋に急かされたからといってすぐに申込せず、しっかりと検討した上で申込することをオススメします。
申込をキャンセルした場合、同じ物件への再申込はできません。キャンセルの理由やキャンセルの仕方によっては不動産会社からの印象も悪くなる為、場合によっては他の物件の紹介をしてもらえない可能性もあります。
安易な申し込みはしないようにしましょう。
まとめ 申込はしっかりと検討した上で行うようにしよう
賃貸物件の申し込みは入居の意思表示です。
内見をして気に入った物件が見つかれば、契約を前提に申込書を提出して審査結果を待ちます。
申込時に2番手ですと言われても 1番手の人がキャンセルをしたり審査に落ちた場合は2番手でもチャンスが回ってきます。ただ、時間がかかるケースがほとんどですので、時間に余裕があり、どうしてもその物件に入居したい場合のみ 2番手申込をオススメします。
申込は入居をする上で絶対に欠かせない重要なステップです。
だからこそ安易な申込やキャンセルはせず、しっかりと検討をした上で申込を行いましょう。